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不服申立制度の現状について - 税務調査ネット

2018年07月18日

租税の賦課徴収に係る処分に対する不服申立てについては、税務署長等に対する再調査の請求、国税不服審判所長に対する審査請求の二段階となっており、必ず、これらの双方又は一方を経る必要があります。(不服申し立て前置主義)これらの不服申し立てを経てもなお不服がある場合には、裁判所に訴訟を提起することができます。(司法上の救済制度)
なお、税務署長等の処分が平成28年4月1日以後に行われている場合には、選択により、再調査の請求を行わずに、直接、国税不服審判所に対する審査請求ができるようになりました。

再調査の請求とは

再調査の請求は、税務署長等が更正・決定や差押え等の処分をした場合に、その処分に不服がある納税者が税務署長等に対してその処分の取消しや変更を求める手続です。

平成26年6月の行政不服審査法及び国税通則法改正により、平成28年4月1日以後に行われる処分に係る不服申立ての名称が「異議申立て」から「再調査の請求」へ変更されました。ただし、平成28年度以降でも、税務署長等の処分が平成28年3月31日以前に行われている場合は、「異議申立て」となります。

再調査の請求の標準審理期間は3か月と定められています。平成29年度の3ヶ月以内の処理件数割合は96.6%(相互協議事案、公訴関連事案及び国際課税事案を除く)となっています。

審査請求とは

審査請求は、税務署長等が行った処分に不服がある場合に、その処分の取消しや変更を求めて、国税不服審判所長に対して不服を申し立てる手続です。

平成28年4月1日以後の処分については、審査請求は再調査の請求(改正前:異議申立て)を経ずに、直接行うことができます。また、再調査の請求を行った場合でも、再調査の請求についての決定(再調査決定)後の処分になお不服がある場合も行うことができます。

審査請求は原則1年以内に裁決することとされています。平成29年度の1年以内の処理件数割合は99.2%となっています。

審査請求及び訴訟の状況

平成30年6月20日、国税庁は平成29年度(平成29年4月1日〜平成30年3月31日)における再調査の請求、審査請求及び訴訟の状況を同時に発表しました。また同日、国税不服審判所も「平成29年度における審査請求の概要」を発表しました。

このうち、平成29年度において国税不服審判所が収受した審査請求の件数は2,953件で、その内訳は、申告所得税910件、源泉所得税94件、法人税等465件、相続税・贈与税216件、消費税等1,106件、その他27件、徴収関係135件となっており、前年度比で18.7%増加しています。

区分 再調査の請求 審査請求 訴訟
発生件数 1,814件 2,943件 199件
処理件数 1,726件 2,475件 210件
認容件数(割合) 213件(12.3%) 202件(8.2%) 21件
全部認容(割合) 40件(10.0%) 54件(2.2%) 11件(5.2%)
一部認容(割合) 173件(2.3%) 148件(6.0%) 10件(4.8%)

 

 

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